法改正

November 07, 2005

高齢者の活用方法

公的年金の支給開始年齢の引き上げに呼応して高齢者雇用安定法が改正されますことはご存知のことと思います。

●来年4月以降、企業は段階的に
(1)65歳までの定年の引き上げ
(2)65歳までの継続雇用制度の導入
(3)定年の廃止
のいずれかの措置を講ずる必要があります。

本格的な少子高齢化社会に突入し、2007年問題(2007年以降、団塊の世代が60歳に到達し始める)への対応は企業にとっても死活問題です。

65歳までの雇用延長策について、企業は上記(1)~(3)のうち、どの選択肢を検討しているのでしょうか?

東京商工会議所が今年春に実施した調査によれば、過半数の企業が「継続雇用の導入」の選択を検討していることがわかります。一方、「決めていない」とする企業も全体の1/3を超えています。

制度導入が義務化される来年4月を間近に控え、未だ対応を決めかねている企業にとっては早急に方針を明確化する必要があります。

●アンケート調査結果
1.定年の廃止            18社 2.7%
2.定年の引上げ           64社 9.7%
3.継続雇用制度の導入
 (希望者全員を対象とする)  106社 16.0%
4.継続雇用制度の導入
 (対象者の基準を定める)   248社 37.4%
5.決めていない          227社 34.2%

http://www.tokyo-cci.or.jp/kaito/chosa/2005/170606.html

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September 09, 2005

労働契約法制定へ

厚生労働省は8日、労働者と使用者が労働条件を決める際の基本的なルールや手続きなどを定める「労働契約法」を制定する方針を決めた。

労働契約法の制定は、就業形態が多様化し、労働の最低条件を一律に定めた労働基準法などでは対応しきれなくなったため。

2007年にも法案を国会へ提出する。

【ポイント】

1.労働組合がなくても労働条件の変更などを円滑に行える労使協
  議の場(労使委員会)を常設
2.解雇が無効とされた場合でも、職場復帰せず金銭補償する道を
  開く
3.契約内容の変更に不服でも、解決まで一時的に雇用主の要求を
  受け入れ解雇を防ぐ
4.出向後も出向前の賃金水準を維持するよう出向元・出向先が保
  証   転籍先の条件などを書面で示す
5.試用期間の上限の設定
6.解雇の理由を文書で示す
7.雇用主側から働きかけた退職を受け入れても、8日程度はクーリ
  ングオフが可能に

【現在の解雇をめぐる裁判】

解雇が有効か無効かという二者択一の判断しかない。
企業は解雇無効の判決なら労働者を職場復帰させる必要がある。
実際には裁判で解雇が無効になっても職場復帰は難しく、新たな争いが生じる例が多い。

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August 03, 2005

定年制と再雇用制度

「トヨタ自動車は、60歳定年を迎えた社員の再雇用制度を刷新、年齢の上限を63歳から65歳まで引き上げると発表しました。2006年4月から導入。新制度は年齢の上限を65歳まで段階的に引き上げ、60歳以降は契約を毎年更改。」というニュースがありました。

●定年制と再雇用等について紛らわしい点がありますので、以下に解説します。

定年制とは、従業員が就業規則や労働協約において定められている一定の年齢に達したときに、従業員と使用者との間の雇用契約を自動的に終了させ、使用者が従業員を企業から退職させる制度です。

勤務延長制度とは、定年年齢に達した者を退職させることなく引き続き一定期間雇用することをいいます。退職という形をとらないので従来の雇用契約が生きています。その限りでは定年延長の形になりますが、一般的には対象が特定の者に限られるのが特徴です。

これに対して再雇用制度とは、定年年齢に達した者をいったん退職させた後、再び雇用する制度です。定年退職という形式をとっているため、定年前の雇用契約が別の雇用契約に変るのが特徴です。また、定年年齢に達したときに退職金も支払うことが一般的です。再雇用制度では一度定年退職という形をとるため、賃金の引下げや雇用形態の変更(例えばパートとして再雇用など)を伴う場合が多いようです。

トヨタ自動車の場合は再雇用制度ですので、定年はあくまでも60歳のままですが、60歳以降は1年の雇用契約を毎年更改して最長65歳まで雇用を継続できる制度です。


※参考資料

【改正高年齢者雇用安定法】
急速な高齢化の進行等に対応し、高年齢者の安定した雇用の確保等を図るため、事業主は、(1) 定年の引上げ、(2) 継続雇用制度の導入、(3) 定年の定めの廃止、のいずれかの措置を講じなければならないこととするとともに、高年齢者等の再就職の促進に関する措置を充実するほか、定年退職者等に対する臨時的かつ短期的な就業等の機会の確保に関 する措置の充実を図ることを内容とする改正高年齢者雇用安定法が平成16年6月5日に成立し、平成16年12月1日から施行(高年齢者の安定した雇用の確保等を図るため措置については平成18年4月1日から施行)されます。

【改正の内容】

○65歳までの定年の引上げ、継続雇用制度の導入等を求める。
○ただし、労使協定により継続雇用制度の対象となる労働者に係る基準を定めたときは、希望者全員を対象としない制度も可能とする。
○なお、施行より政令で定める日までの間(当面大企業は平成21年3月31日まで、中小企業(常時雇用する労働者数が300人以下の企業)は平成23年3月31日まで)は、労使協定ではなく就業規則等に当該基準を定めることを可能とする。
○定年の引上げ、継続雇用制度の導入等の年齢は年金支給開始年齢の引上げに合わせ、2013年度(平成25年度)までに段階的に引き上げる。

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March 23, 2005

簡単にできる個人情報保護対策

4月1日より、個人情報保護法が施行されますので、簡単な個人情報保護対策を紹介します。

個人情報漏洩の原因の大半は不注意です。特に、車上荒らし、事務所荒らし、置き忘れ、FAX誤送信といった事例が目立ちますので、これらに対する対策を紹介しましょう。

<車上荒らし対策>
1.わずかな時間でも、カバンやパソコンを置いたまま車を離れない。
2.「わずかな時間だから」、「外から見えないから大丈夫」といった油断は禁物。

<事務所荒らし対策>
1.防犯警備していても安心しない。
2.終業時に事務所の施錠を徹底し、重要書類・帳票・フロッピー等は、鍵のかかる机などに必ず収納。
3.万一盗難された場合の被害を最小限に食い止めるため、パソコンにはパスワードを設定。
4.フロッピーをパソコンに挿入したままにしない。
5.フロッピーが不要になった場合は、初期化するか破砕して廃棄。
6.保存期間の過ぎた帳票は、シュレッダーにかけて廃棄。

<置き忘れ対策>
1.カバンやパソコンを手元から離さない。
2.顧客情報などの事務所外への持ち出しは、業務上必要最小限に。
3.大容量の情報を持ち出すことができるリムーバル・ディスクの使用は禁止。

<FAXや電子メールの誤送信対策>
1.よく使う宛先は短縮ダイヤル登録する。
2.送信ボタンを押す前に、宛先番号やアドレスを再確認する。

どうですか?
ホントに当たり前のことなんです。個人情報漏洩の大半は不注意から起こっています。引き締めて行動するよう心がけましょう。

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March 09, 2005

育児・介護休業法の改正

平成17年4月1日より「育児・介護休業法」が下記のように改正されます。

(1)  育児休業・介護休業の対象労働者の拡大

雇用の継続が見込まれる一定の範囲の期間労働者が取得できるようになります。

(2)  育児休業期間の延長

 子が1歳を超えても休業が必要と認められる一定の場合に、子が1歳6か月に達するまでの休業が可能となります。

(3)  介護休業の取得回数制限の緩和

 同一の対象家族1人につき、介護を要する状態に至ったごとに1回、通算93日の範囲内で休業が可能となります。

(4)  子の看護休暇制度の創設

 小学校就学の始期に達するまでの子を養育する労働者は、労働者1人につき年5日まで、病気やけがをした子の世話をするための子の看護休暇を取得できるようになります。

改正育児・介護休業法のあらまし(平成17年4月1日施行)

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