公平と公正
公平と公正の違いを考えたことありますか?
日本人は、一律とか同一とか公平いう言葉を好みますが、
これこそが労務管理の世界では問題(間違いの元)なのです。
公平にしていることが公正でないために、社員の不満の元に
なったり、法を犯したりしていることになるのです。
公平でないからと言って法律違反になるとは限りませんが、
公正でなければ法律違反となります。
「公平ではないかもしれないけど公正である」だったら良い
のですが、「公平ではあるけど公正でない」ではダメなのです。
例えば
10万円の仕事をAさんは所定労働時間(8時間)内で終わらせ
ましたが、Bさんは同じ仕事を1時間残業(9時間労働)しなければ
終わりませんでした。
2人とも時給1000円だとすると
Aさん=1000円×8時間=8000円
Bさん=1000円×8時間+1250円×1時間=9250円
同じ額(売上)の仕事をしたのに賃金に1250円の差が出ます。
賃金額としては公平ではありませんが賃金計算は公正です。
これを、同じ仕事なのだから一律8000円としたらどうでしょうか?
賃金額としては公平かもしれませんが賃金計算は公正ではありま
せん。Bさんの残業代が未払いとなり法律違反になるのです。
労働生産性で比較すると不公平が一目瞭然です。
Aさん=10万円÷8時間=12500円
Bさん=10万円÷9時間=11111円
つまりAさんの方が1時間当たり1389円多く稼いでいます。
それなのにBさんの方が賃金が多い。
仕事のできるAさんはどう思うでしょうか?。
これを是正するために
賃金の見直しや仕事内容の見直しをする必要があります。
見直さないと社員の不満が爆発するかもしれません。
賃金の見直しには月額賃金を見直す方法もありますが、
賞与による調整(Aさんの方が評価が上)を検討されても良いと思います。
遅くまで残業する社員が評価された時代は終わったのです。
能力不足による残業なのか過剰な仕事量による残業なのか、
それとも単なるお付き合い残業なのかを見極められなくては
管理者、経営者としては失格です。
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