個人情報保護法「過剰反応」目立つ
国民生活センターは7日、個人情報保護法が施行された今年4月から9月末までに同センターや全国の消費生活センターなどに寄せられた相談件数が3200件を超えたと発表しました。
医療機関などの「過剰反応」で困難な立場に置かれたという苦情や、「しつこい勧誘を同法で止められないのか」などと法律に期待を抱きすぎている相談が目立つといいます。
【相談例】
ある60歳代の男性は駅のエスカレーターで転倒した人の巻き添えになり、入院。転倒の原因となった人と入院費用の負担などについて話し合いたいと思い、鉄道会社に連絡先を尋ねたが「個人情報保護のため」と連絡先を教えてもらえなかった。
ある女性は入院中の父親への病名告知を望んでいないのに、病院側は「検査結果について他の医療機関に見解を求めるため、同法にそって本人の同意がいる。告知が必要」と主張している。
【まとめと課題】
「過剰反応」に際し明確な解釈基準や、提供の必要性等についての理解が求められます。
これまで社会に定着してきた名簿や連絡網等、あるいは緊急医療等における個人情報の提供が形式的な法律の解釈や運用の下で存在できなくなったり、不可能になることは、個人情報保護法の本来の趣旨にそったものとは言えない。
法律違反となるリスクを負うよりも個人情報の提供を一切行なわないという対応や、十分な検討や工夫を講じないまま個人情報保護法を理由に従来の活動を止めてしまうという対応が一般化している傾向がある。
法律やガイドラインを形式的に遵守しているからよいと個人情報の保護に対し機械的に対応するのではなく、「個人情報の有用性に配慮しつつ、個人の権利利益を保護する」との法の目的を達成するためには、事業者自らによる積極的な取組みが一層求められます。
http://www.kokusen.go.jp/cgi-bin/byteserver.pl/pdf/n-20051107_2.pdf
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