裁量労働制は残業代不要?
裁量労働制とは、その性質上業務遂行の方法や手段、時間配分について、使用者から「ああしろこうしろ」と具体的な指示や監督を受けない労働形態をいいます。
たとえば、研究開発などは大幅に労働者の裁量にゆだねる必要があるため、使用者の具体的な指揮監督になじみません。
このような業務は、その業務を通常、処理するためにはどの程度の時間を労働するとするのが適当であるかについて労使で協定をし、その時間、労働したものとみなすわけです。
実際に働いた時間がどれだけであっても、所定労働時間の労働をしたものとしてみなされます。これを「みなし労働時間」といいます。
つまり、実際には1日に6時間しか働いていない場合でも、逆に10時間働いた場合でも、あらかじめ定めたみなし労働時間が8時間であれば、8時間働いたことになるのです。
1日10時間働いていれば、実際には法定労働時間を2時間超えたことになるはずです。
しかし、裁量労働制が採用され、みなし労働時間が8時間と定められていれば、8時間しか働いたことにならず、残業代が発生しないことになってしまいます。そのため、裁量労働制は残業隠しの隠れ蓑として利用される恐れもあるのです。


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