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August 10, 2005

兼業での労働時間通算の問題点

わが国の企業では、多くの場合就業規則などで正社員の兼業を禁止しています。

【その理由は】
1.兼業によって疲労が残るなどして、安全の確保や業務の遂行に支障が出る。
2.兼業先に勤務するために時間外労働ができない可能性も。
3.同業他社との兼業によって、技術やノウハウなどが流出したり、企業秘密が漏洩したりすることが懸念される。

実務的に大きな障害になっているのが、労働基準法第38条が定める労働時間通算の原則です。具体的には、ある日にA社で7時間、B社で3時間労働した場合は、通算して10時間の労働となるため、労働基準法の定める1日当たり上限の8時間を超えた2時間には割増賃金の支払を要するというもの。

通算しないとすると、ある会社を便宜的にC社、D社に分けて、まずC社で6時間、続いてD社で6時間働いたという計上をすれば、割増賃金の支払が不要になってしまうという問題があります。

実務的には兼業している人の労働時間を正しく把握することはたいへん困難です。1日当たりならまだしも、一週40時間の上限に関しては非常に難しくなります。

さらに、割増賃金を兼業している2社のどちらがどれだけ負担するかという問題があります。ある会社で8時間就労してきた労働者がその後アルバイトをした場合、アルバイト先はすべての労働時間に割増賃金を支払わなければならないという問題。

そのうえ、労働基準法では時間外労働を行なわせるためにはその上限などを定めた労使協定(いわゆる36協定)を締結しなければならないとされていますが、兼業をしている人にはどのような上限時間を適用すればいいのか、という問題になると、もはや完全に実務の手には余ることになりそうです。

問題点ばかり提示しました。解決策は後日検討しましょう。

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