健康診断結果の取扱いと個人情報保護法
【疑問】
平成17年4月1日に個人情報保護法が施行されましたが、健康診断結果の取扱いは個人情報保護法に抵触しないのでしょうか?
【結論】
労働組合等と事前に協議した上で、健康情報に係わる管理規定を策定し、その中で健康診断の利用目的、取り扱う者及びその権限を明確にし、労働者に管理規定を周知し、利用目的以外に使用しなければ抵触しないと思われます。
ただし、健康診断結果の生データを利用するのではなく、利用目的の達成に必要な範囲に健康診断結果を適切に加工した上で提供することが必要です。また、加工した健康診断結果をどの職制までに提供するかは、労使が十分に協議する必要があります。
【参考資料】
●「雇用管理に関する個人情報のうち健康診断を取り扱うに当たっての留意事項について」(基発第1029009号)の概要
【定義】
健康情報とは、指針で定める雇用管理に関する個人情報のうち、健康診断の結果、病歴、その他の健康に関するものと定義されます。
【健康情報に係わる適正な取扱いを確保するために事業者が講ずるべき措置の概要】
1.健康情報の利用目的を特定し、労働者に通知し、又は公開する。
2.あらかじめ労働者の同意を得ないで健康情報の利用目的以外に取り扱ってはいけない。
3.労働組合等と協議の上、健康情報に係わる下記事項の管理規定を定め、労働者に周知する。
①健康情報の利用目的
②健康情報に係わる安全衛生管理体制
③健康情報を取り扱う人及びその権限並びに取り扱う健康情報の範囲にかんすること
④健康情報の開示、訂正、追加又は消去の方法(廃棄に関するものを含む)
⑤健康情報の取扱いに関する苦情処理に関すること
4.健康診断の結果のうち診断名、検査数値等のいわゆる生データの取扱いについては、その利用に当たって医学的知識に基づく加工・判断等を要することがあることから、産業医や健康師などの看護職員に行わせること望ましい。
5.産業保険業務従事者以外の者に健康情報を取り扱わせる時は、これらの者が取り扱う健康情報が利用目的の達成に必要な範囲に限定されるよう、必要に応じて健康情報を適切に加工した上で提供する等の措置を講ずる。
6.健康情報に係わる苦情処理について、苦情及び相談を受け付けるための窓口を設け、必要に応じて産業保険業務従事者と連携を図ることができる体制を整備しておくことが望ましい。
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